釜山国際映画祭で5冠を受賞。新鋭キム・セイン監督による痛切な〈母と娘〉の物語

映画『同じ下着を着るふたりの女』 The Apartment with Two Women
監督・脚本:キム・セイン
出演:イム・ジホ、ヤン・マルボク(「イカゲーム」「# 生きている」)、ヤン・フンジュ(「夏時間」)、チョン・ボラム
(2021年 / 韓国 / 139分)

中年シングルマザーの〈母〉と20代後半の〈娘〉。相手を完全に愛することも憎むこともできず、暴力と依存の悪循環に陥ったふたりの痛切な親子関係を描き、世界の映画祭で絶賛された本作がいよいよ日本公開。母の愛を求める娘と、世間が求める良母になりきれない母。ふたりの女の葛藤に、同じ女性の視点から目を向けたのは、本作が長編デビュー作となる新鋭キム・セイン監督。鬼気迫る親子の衝突と、ままならない人間同士の悲哀。そしてふたりの複雑な感情を受け止める大胆な余白を映画に取り込み、本作は近年の韓国フェミニズムやシスターフッド映画の“次”を行く新たなリアリズムを獲得。第26回釜山国際映画祭での5部門制覇をはじめ、ベルリン映画祭や東京フィルメックスでも高い評価を集めた。

30歳を目前に控えたイジョンと母のスギョンは、ふたりで団地に同居している。若くしてシングルマザーとなったスギョンは幼い頃から娘に辛く当たり、そんな母に対してイジョンも長年積み重なった恨みを隠しきれずにいた。ある日、買い物に訪れたスーパーの駐車場で二人はいつものようにケンカになり、車から飛び出したイジョンを母スギョンが轢き飛ばしてしまう。スギョンは「車が突然発進した」と警察に説明するが、イジョンは故意の事故だと疑わず、母を相手に裁判を起こす。そんななか、イジョンは、会社に新しく入社した同僚スヒの気遣いに触れ、彼女に癒しを求めるようになる。一方、スギョンも、恋人ジョンヨルとの再婚の話が進んでいた。ようやくふたりはそれぞれの人生を歩むかに思えたが。。。

★第72回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門 出品
★第26回釜山国際映画祭 5冠
★第23回東京フィルメックス コンペティション部門 出品

配給:Foggy

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