実業家の前澤友作氏は9日、宇宙開発企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(創業者:イーロン・マスク、以下SpaceX)が開発を進めている超大型ロケット「Starship」に乗って、民間人で初めて月を周回する「dearMoon」プロジェクトのクルー8人とバックアップクルー2人を発表した。
「dearMoon」プロジェクトは、2018年に前澤氏によって、2023年に月に向けて打ち上げが予定されている「Starship」の全席の権利を取得したことにより始動。2021年3月には、前澤氏自身の「宇宙へ行くチャンスをより多くの、より多様な人に開きたい」との願いから、前澤氏と共に月へ行くクルーを「dearMoon」公式サイトにて募集したところ、249の国と地域から100万人を超える応募があった。
そして、選考・面談・メディカルチェックの行程を通過した8人のメインクルーと、2人のバックアップクルーのプロフィールを発表。インタビュー映像も公開した。多様なバックグラウンドを持つ8人のクルーは、前澤氏と共に約7日間かけて月を周回、地球へと帰還する予定となっている。
クルーは、米グラミー賞を2度受賞し世界的なDJとして知られるスティーヴ・アオキ(45)や、韓国の4人組グループ・BIGBANGのTOP(35)など8人。写真家や振付師、映像作家などさまざまなバックグラウンドを持った人たちが参加する。また、バックアップクルーは、日本人でダンサー・モデルのミユ(25)と、2014年ソチオリンピック・ハーフパイプ金メダリストのケイトリン・ファリントン(32)の2人。前澤氏のYouTubeチャンネルには、前澤氏がクルーをどのようにクルーを選出したのか経緯をまとめた動画が配信されている。
前澤氏は昨年12月、日本人民間宇宙飛行士として初めてISS(国際宇宙ステーション)に渡航・滞在した。また、宇宙にいながら、ISS滞在の様子などをYouTubeやSNSにアップ。宇宙でしか撮影できない貴重な映像の数々に、大きな話題を呼んだ。
■前澤友作コメント(一部抜粋)
全世界から今回約100万人の応募がありましたが、厳正なる審査並びに選考させていただいた結果、今日10名のクルーを発表させていただく運びとなりました。
最終的に僕もお一人お一人とかなり突っ込んだ話をさせていただいて、幼少期からどういう人生を過ごしてきたのか、そしてなぜ宇宙にロマンを感じ、どういったチャレンジをされたいか、その月に行った体験というのを地球に持ち帰って今後の人生にそれをどう生かせるか。とにかく一言で言うと、みんないい人です。みんな笑顔の人が集まってます。
(彼らに対して)絶対こうしてほしい!っていうのはないけれど、それなりに責任感を持って地球から出て、月まで行って帰ってくるっていうこの旅を通していろんなことを得て、それを地球に還元して欲しいなっていうのは共通して思います。
■クルーメンバー(アルファベット順)
・Rhiannon Adam(リアノン・アダム):写真家/アイルランド
・Steve Aoki(スティーヴ・アオキ):DJ、音楽プロデューサー兼作曲家(アメリカ)
・Yemi A.D.(イェミ・A・D):振付師(チェコ)
・Tim Dodd(ティム・ドッド):YouTuber(アメリカ)
・Brendan Hall(ブレンダン・ホール):映像作家(アメリカ)
・Karim Iliya(カリム・イリヤ):映像作家(イギリス)
・TOP / Choi Seung Hyun(トップ / チェ・スンヒョン):BIGBANGメンバー、俳優(韓国)
・Dev D. Joshi(デヴ・ジョシー ):俳優(インド)
バックアップクルー
・Kaitlyn Farrington(ケイトリン・ファリントン):スノーボーダー(アメリカ)
・Miyu(ミユ):ダンサー、モデル(日本)